この運動を自宅で椅子から立ち上がった際、食事の前後、入浴の前後などのタイミングで決して無理をせずゆっくりと行ってください。1日最低1回は行いましょう！。

　60歳から始めてもOK！ 「健康長寿を目指せます！」。科学的なトレーニングを提唱する第一人者の立命館大学スポーツ健康科学部教授の田畑泉さんは言います。例えば国民病といわれている糖尿病では、食事で摂取した糖の8割から9割は、筋肉が処理します。その点糖尿病というのは、筋肉の病気だと考えることもできます。1990年頃まで、医学界では筋の研究があまり進んでいませんでしたが、スポーツ科学で行われていた筋肉の研究が、現在の糖尿病治療に非常に貢献しています。

　筋肉が血液中にある糖をどうやって取り込んでいるかというと、グルコーストランスポーター（骨格筋ではGLUT4：グルット・フォー）という運び屋が筋肉の表面にあれば、糖を取り込むことができます。糖尿病の人は運動することによって悪化が抑えられるということが分かっています。そしてこのことは、スポーツ科学の分野が中心となって研究してきました。

　ちょこっと運動の他には、ジョギングでもいいし、それが無理だったらウォーキングでもいいし、水泳でもいいです。1つでいいから好きな運動を見つけていただいて、それはいつ始めても効果があります。40歳で始めても50歳で始めても60歳で始めても効果があります。効果とは何かというと、最終的には早死にを減らす、死ぬリスクを減らす、生活習慣病になるリスクを減らすということです。