運動のしすぎは健康に悪影響を及ぼすといわれています。世界保健機関(WHO)は、18〜64歳の成人に対し、毎週少なくとも2.5時間〜5時間の中程度の運動、または75〜150分の激しい運動を行うことを推奨していますが、新しい研究では、それが本当かどうか疑問視されています。デンマークと米国の8,500人以上の成人を調査した研究のデータには、テニス、サッカーなどのレジャースポーツに費やした時間が含まれていました。その結果、週に2.6時間から4.5時間の運動をしている人に比べて、運動をしていない人は死亡リスクが51%高くなることがわかりました。しかし、週10時間以上の運動をした人は、2.6時間から4.5時間の運動しかしなかった人に比べて、実際には死亡リスクが18%高かったのです。ウォーキングに関する最近の研究でも、同様の結果が出ています。米国の研究者たちは、平均年齢45歳の成人約2,100人のグループを約10年間追跡研究しました。1日の歩数が7,000歩以上の人は、7,000歩未満の人に比べて死亡する確率が72%も低いことがわかりました。しかし、1万歩以上歩いた人は55%しか死亡率が下がりませんでした。この2つの研究から「最適な運動量」は、1日に30〜35分程度の運動、または7,000〜8,000歩程度の間にあるとなっています。